観葉植物のパキラが元気ない・枯れる理由は?主な原因と復活させるための対処法
パキラは、人の手を大きく広げたような形の葉が特徴的な常緑性の観葉植物の一種です。
今回は、そんな観葉植物のパキラに元気がない、または枯れてしまった場合に考えられる5つの原因について、復活させるための対処法や基本的な育て方と一緒に紹介していきます。
目次
【観葉植物のパキラ】基本的な育て方まとめ
観葉植物のパキラに元気がない場合の原因や症状、対処法を学ぶ前に、まずはパキラの基本的な性質や育て方について、簡単に確認していきましょう。
パキラは、中南米を原産とする観葉植物です。耐暑性と耐陰性が高く、生命力旺盛で初心者でも育てやすい種類であることから、贈答品やインテリアグリーンに適した観葉植物として知られています。
ただ一方で、高温で乾燥したエリアを原産地とするパキラには、低温や多湿に弱い一面もあります。また、本来は日当たりと風通しの良い場所を好む植物であるため、日本で長く、元気にパキラを育てていくには、季節に応じて設置場所や育て方を変えるのが望ましいでしょう。
そこで、観葉植物のパキラの基本的な育て方について、鉢の置き場所・水のやり方・肥料の与え方・剪定のタイミングの4つの項目別に、以下一覧表にまとめました。季節ごとの注意点や、育てていくコツについても各項目で触れていますので、ひと通りご確認ください。
鉢の置き場所 | 【春・秋】日当たりと風通しの良い窓辺に置けばOK 【夏】レースカーテン越しの日光が当たる窓辺、または明るい日陰に置く 【冬】気温が下がる窓辺からは離し、比較的暖かい部屋の中ほどに置く |
水のやり方 | 【春~秋】土の表面に触れて乾燥していたら、鉢底から溢れるくらいたっぷりと水をやる 【冬】鉢表面の土が乾いてから2~3日後に、鉢底から溢れるくらいたっぷりと水をやる |
肥料の与え方 | 即効性のある肥料がおすすめ。置き肥なら春~秋にかけて2か月に1回、液体肥料なら水の代わりに2週間に1回のペースで与える |
剪定のタイミング | 生育期にあたる5月〜9月にかけて行う。全体の風通しが良くなるように、葉の根元から剪定していくと良い |
なお、観葉植物の育て方については「観葉植物の基本の育て方|水やり・置き場所・肥料・剪定・植え替えなど」の記事でも詳しく紹介しています。観葉植物全般の育て方について、基本的な情報を知っておきたいという方は、こちらも併せてご確認ください。
生命力旺盛なパキラが枯れる原因は?
先述したように、本来パキラは非常に生命力旺盛で、寿命も長いとされる観葉植物です。
そんなパキラに元気がない、または枯れてしまったという場合には、水・肥料の与え方や置き場所が適切でなかったか、病気や害虫の被害に遭っている可能性が高いでしょう。
そこで以下からは、パキラに現れる症状別に元気がない時に考えられる5つの原因と復活させるための対処法を、それぞれ紹介していきます。
観葉植物のパキラに元気がない原因①水不足による水枯れ
観葉植物のパキラは、水やりの頻度や量が適切でないと元気がなくなることがあります。以下のような症状が見られる場合は、水やりの頻度や量が足りておらず、株内の水分量が不足してパキラが枯れてしまった可能性が高いでしょう。
水不足によってパキラに起こる症状の具体例
- 葉が張りを失い、下を向きうなだれている
- 葉の色が黄色や茶色に変わり、根元から落ちてしまう
- 土に触れると、表面がかなり乾燥している
水不足で元気がないパキラを復活させる方法は?
水不足が原因で起こるパキラの水枯れは、初期段階であれば、適切な頻度・量で水やりをすることで解消できます。以下に再掲する基本の水やり方法を参考に、季節に合った頻度で水やりを続けましょう。
- 春から秋にかけては、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与える
- 冬は、土の表面が乾いてから2~3日後を目安にたっぷりと水を与える
またパキラは、生育期にあたる5月〜9月にかけてたくさんの水を必要とするため、他の時期に比べ水枯れが起こりやすくなります。パキラを水枯れさせることなく元気に育てていくには、特に初夏から初秋にかけて、こまめに水やりをする必要があると覚えておきましょう。
なお水やりの際に鉢の受け皿に溜まった水は、後述する根腐れや根詰まりの原因となるため、必ず捨てるようにしてください。
観葉植物のパキラに元気がない原因②根腐れや根詰まり
根腐れとは、水のやりすぎや鉢内の水はけの悪さ等が原因で観葉植物の根が腐り、生育に必要な水や栄養、酸素が吸い上げられなくなった状態のことです。対して根詰まりとは、鉢の中で根が伸びすぎたために、根から水や酸素を吸収することができなくなった状態を言います。
パキラ等の観葉植物の多くは、根から水や栄養を吸収するだけでなく、酸素を吸い上げて呼吸しています。そのため、根腐れや根詰まりが起こると窒息状態に陥り、徐々に株全体の腐敗が進んで、やがて枯れてしまうのです。
パキラの葉や幹の他、土の表面に以下のような異常や異臭がある場合に、根腐れや根詰まりが起きている可能性が高いでしょう。
根腐れや根詰まりによってパキラに起こる症状の具体例
- 葉が張りを失い、下を向きうなだれている
- 葉の表面が緑色から黒茶色に変わり、変なにおいがしている
- 幹に触れるとブヨブヨ、スカスカした感触で崩れてしまう
- 土の表面や幹の根元を中心に、カビが生えてきている
根腐れや根詰まりで元気がないパキラを復活させる方法は?
根腐れや根詰まりが原因で弱ったパキラのうち、既に腐敗が進んで枯れたところについては、残念ながら復活させることはできません。基本的には腐敗したところは切り取り、まだ被害が及んでいない部分だけを残して、再生を目指していくことになります。
具体的な対処法については、症状の程度別に以下にまとめましたので、参考にご覧ください。
- 症状が軽い場合は、傷んだところを切り取って日当たりと風通しの良い場所に置き、土をしっかり乾燥させて様子を見る
- それでも状態が改善しないようなら、株を鉢から出して腐った根と土を除去し、新しい土とともに一回り大きな鉢へ植え替える
- 植え替えをしてもパキラが元気にならない時は、腐敗していないきれいなところを切り落とし、切り口を乾燥させてから新しい土に挿し木する
なお、パキラの鉢植えの中には、高さが100㎝を超す大きなものもあります。そのような大型の観葉植物の場合は、ご自身での植え替えが難しいケースもあるため、園芸のプロに植え替えを依頼する可能性もあるでしょう。
「観葉植物の植え替えを業者に依頼するメリットは?費用や比較ポイントも!」の記事では、パキラ等の大型観葉植物を業者に植え替えてもらうケースについて、詳しく紹介しています。もし、「パキラを元気にするために植え替えをしたいけど、大きくて自分では難しいかも」とお悩みなら、こちらの記事もぜひ参考にご覧ください。
観葉植物のパキラに元気がない原因③日当たり
耐陰性の高いパキラですが、まったく光の当たらない場所では生きていくことができません。そのため、長期間にわたって日光の当たらない場所に置いていると、日照不足から枯れることがあるのです。
またパキラには、直射日光のような強い日差しに弱く葉焼けを起こしやすい性質もあります。日照不足と葉焼け、それぞれの原因からパキラに元気がなくなり、枯れてしまった場合の代表的な症状としては、以下が挙げられるでしょう。
日照不足によりパキラに起こる症状の具体例
- 茎が細く伸びるようになり、樹形が崩れる
- 細く伸びきった茎が、折れたり枯れたりする
- 全体的に葉の色が薄くなり、張りもなくなる
葉焼けによりパキラに起こる症状の具体例
- 葉が黄色や白色に変色し、枯れていく
- 変色した葉や枯れた葉が、次々と落ちる
日照不足で元気がないパキラを復活させる方法は?
日照不足が原因で枯れてしまったパキラを復活させる方法としては、大きく2つあります。
1つ目は、鉢の置き場所を少しずつ日当たりの良い場所へ変えていき、日照不足を解消する方法です。具体的には日陰、明るい日陰、窓の近くの半日陰、屋外の日陰の順に1週間ずつ置き場所を変えていき、新しい環境への順応を促しながら、パキラの状態を回復させていきます。
そして2つ目は、成長点となる枝の付け根を残し、幹を途中で切り落として剪定する方法です。
パキラは生命力旺盛で強い植物ですから、切り落とした枝や幹を新しい土に植えて挿し木し、適切な環境・方法で育てていけば、また枝を伸ばすようになるでしょう。
ただし、株が休眠状態に入る冬は、パキラの生長が非常にゆっくりになります。冬にパキラを大幅に剪定すると、剪定のダメージに耐えられずに枯れる恐れもあるため、2つ目の方法をとる場合は必ず生育期にあたる5月〜9月の間に実施してください。
葉焼けで元気がないパキラを復活させる方法は?
まず、葉焼けで変色した葉をすべて取り除きます。その後、まだ緑色の健康な葉が残っているようなら、毎日霧吹きで葉水をして、葉がパキラ本来の色つやを取り戻すまで待ちましょう。
葉が元気になったら、柔らかい日光の当たる室内に鉢を置いて、季節に合った基本的な方法で育てていけばOKです。
観葉植物のパキラに元気がない原因④気温の低さ
中南米を原産地とするパキラは、寒さに弱く、気温が5度以下になると枯れる恐れがあります。
もし、気温が低くなる秋から冬にかけて観葉植物のパキラに以下の症状が現れているようなら、寒さが原因で元気がなくなっている可能性が高いでしょう。
気温の低下によりパキラに起こる症状の具体例
- 葉が色あせる、茶色くなる等の変色が起こる
- 変色した葉が枯れて、はらはらと落ちる
寒さのせいで元気がないパキラを復活させる方法は?
気温が氷点下になることもある屋外や、夕方以降になると外と変わらないほど冷え込む窓際は避けて、暖かい部屋の中へパキラの鉢を移動させ、適切な頻度で水やりを続けてください。
具体的には、外からの冷気が届かない部屋の中ほど、かつ、乾燥したエアコンの直風が当たらない場所に鉢を設置するのが理想的です。なお、事情により「日中は鉢を部屋の中央付近に置くのがどうしても難しい」という場合は、気温が下がる夕方から早朝にかけての時間帯だけでも、窓から離れた場所にパキラを置くようにしましょう。
寒さに弱い観葉植物のパキラですが、適切な管理さえできていれば、冬超えさせることもできます。すべての葉が落ちた状態でも、株が生きていれば、春に新芽を出してくれるでしょう。
観葉植物のパキラに元気がない原因⑤病気や害虫の被害
病気や害虫による被害も、観葉植物のパキラが弱り、枯れてしまう一因となります。病害虫のうち、特にパキラに被害を及ぼしやすいものとしては、以下の3つが挙げられるでしょう。
- 高温と乾燥が続く夏に多く発生し、植物から吸汁して繁殖する「ハダニ」
- 白く小さな綿のような見た目で、湿度が高く温暖な環境を好む「コナカイガラムシ」
- 害虫が出した粘液や排泄物を栄養分として、黒いカビが発生する「すす病」
以下からは、上記3つの病害虫が原因で起こる代表的な症状と、病害虫の被害からパキラを復活させるための対処法について、順に紹介していきます。
病害虫の被害によりパキラに起こる症状の具体例
ハダニ | ・葉が色あせ、カスリ状に白くなっていく・蜘蛛の糸のようなものに全体が覆われる・変色、蜘蛛の糸に覆われたような状態を経て、株そのものが枯れていく |
コナカイガラムシ | ・茎の付け根や葉の裏を中心に、白い綿のようなものがたくさん付着する・コナカイガラムシが排泄する粘液により、葉等の表面がべたべたするようになる・放っておくと葉だけでなく、根や周囲の他の植物にまで寄生していく |
すす病 | ・葉の全体が黒く、すすを被ったようになる・葉の表面がカビで覆われることによって光合成ができなくなり、最終的に枯れてしまう |
病害虫のせいで元気がないパキラを復活させる方法は?
ハダニ | ・ウェットティッシュで葉の裏を拭く等して、付着した虫を除去する ・それでも虫がいなくならない場合は、ハダニ専用の殺虫剤を噴霧する ・以降は、こまめに葉を拭いたり、葉水をする等して予防する |
コナカイガラムシ | ・ウェットティッシュや歯ブラシ、竹串等でこするようにして虫をすべて落とす ・植物表面に残った排泄物もすべて拭き取る ・虫の数が多く取り切れない場合は、コナカイガラムシ専用の殺虫剤を噴霧する ・以降は、こまめに葉を拭いたり、葉水をする等して予防する |
すす病 | ・市販の殺菌剤を噴霧するか、黒くなった葉を切って、カビを取り除く ・併せて、カビの発生源となる粘液や排泄物を出す害虫も探し出して駆除する ・適度に剪定して風通しを良くし、こまめに葉水をして再発を予防する |
なお、室内で育てる観葉植物への害虫対策については「室内置き観葉植物に虫が!発生する理由・駆除方法・予防対策について」でも詳しく解説しています。代表的なハダニやコナカイガラムシ以外にも、パキラのような観葉植物に被害を及ぼす害虫について知っておきたいという方は、こちらもぜひ参考にご覧ください。
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株式会社明石緑化は、大阪府堺市に本社を置く「緑を守るプロ集団」です。
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