造園

2023.07.28

「造園」の意味や使い方は？用語・仕事内容・植木屋との違いも解説

今回は「造園」とは何か？その意味や言葉の使い方、対象となる空間など、造園という言葉について深堀り解説します。

造園と聞くと、日本庭園やイングリッシュガーデンのような意匠性が高い庭園を思い浮かべる方が多いかと思いますが、一般住宅やマンション、商業施設、テーマパーク、遊園地、道路、公園にある植栽なども、実は全て「造園」なのです。

コラムの後半では、造園の具体的な仕事内容や、植木屋・庭師との違いについても触れていますので、「造園って何？どんなシチュエーションで使う言葉？」と疑問を持たれている方から、「造園について知識を深めたい！」という方まで、ぜひ参考にご覧ください。

1 「造園」とは？意味や使い方について
2 造園の仕事内容とは？
3 造園業者・植木屋・庭師の違いとは？
4 観葉植物の植え替えは大阪堺市の明石緑化へ

「造園」とは？意味や使い方について

それではさっそく、造園の意味と対象となる空間、造園が存在する意義、言葉の使い方など、「造園」という用語について深堀りしていきましょう。

「造園」の意味と対象となる空間

造園とは、庭園や外構といった空間を造ることです。樹木や草花を植栽したり、人工的に池や築山を造ったり、石・水・砂といった自然の素材を活用するなどして、目的や機能を持った環境を造っていく行為全般を指します。

造園の対象となる空間は、住宅の庭や外構の他に、ホテルや旅館の中庭、街路樹、公園、遊園地、動物園、ゴルフ場、墓園といった空間を芸術的に演出することも造園の対象となります。また、歩道と車道を分ける生垣や、高速道路の中央分離帯の植栽も、造園業の仕事範囲です。

このように、実際の造園業における造園とは、庭作りだけでなく、施設や設備を整備したり、建造物を建てたりといった、土木・建築分野とも密接な関わりがあります。

造園の施工事例については、私たち明石緑化の「施工実績｜明石緑化」もぜひ参考にご覧ください。

造園が存在する意味・意義

造園には、大きく2つの意味があると言われています。1つは空間の芸術性を高めるため、もう1つは機能的な役割を果たすためです。

例えば、高速道路の中央分離帯にある植栽には、対向車線のヘッドライトを遮光したり、対向車線への飛び出しを防止したり、人の横断を阻止したりなどの機能的な役割がある他、道路の景観を良くするという意匠的な役割も持ち合わせています。

また一般住宅における造園でも、庭や玄関アプローチの景観を良くするという意味もあれば、目隠しになったり、日差しをコントロールしてくれたりといった意味もあります。

加えて造園は、「環境改善を図って、人工的な建物と自然のバランスを保つ」という大きな意義も持っています。このような働きを緑化計画と呼び、都市部で発生するヒートアイランド現象の緩和や、快適性の向上、省エネルギー効果、建物の保護効果などに貢献しています。

「造園」の使い方

余談になりますが、「造園」という言葉の使い方について検索される方が多いため、どのようなシーンで使用されているのか見てみましょう。

一般的に、「造園」は「庭づくり」と同じように、建築・土木用語として使われることが多い言葉です。また、「造園業」や「造園家」など造園を生業とする組織や人を指す言葉としても使われたり、「造園計画」や「造園設計」のように仕事内容を表す言葉としても使用されます。

造園の仕事内容とは？

造園と聞くと、庭師が大きなハサミを持って樹木を整える姿をイメージされる方が少なくないでしょう。もちろん、剪定も造園の大切な仕事の一つですが、それだけではありません。

造園の仕事にはどのようなものがあるのか、具体的な仕事内容をご紹介していきます。

造園の仕事①：造園計画

造園で最初に取り掛かる仕事が、造園計画です。造園工事を進めていくために必要な情報を調査して、計画書や図面などに落とし込んでいきます。

その造園計画の中で行う作業の一つが、樹木や土壌基盤の調査です。土壌の状態が植物の伸長に影響しないか、透水性・通気性はどうか、今ある樹木が倒れたり折れてしまう兆候がないかなどを調べます。

この他にも、新たに設置する塀やカーポートなどの建築物が建築基準法に違反しないか、今ある建築物の耐震性能はどうかなど、土木・建築の専門的な領域についても必要に応じて調査を実施します。

造園の仕事②：造園デザイン・設計

デザインと設計では、景観や意匠のデザインに加えて、給排水設備や土壌改良の計画、建築物や造作の設計、植物の選定と配置なども決めて、造園計画をより具体的に形にしていきます。

造園におけるプランニングとは、計画・デザイン・設計までの一連の流れを指し、業者と施主で何度も打ち合わせを重ねてイメージをすり合わせます。

ちなみに、デザインと設計はガーデンデザイナーや設計士が担当するのですが、図面やパース（完成予想図）の作成だけでなく、実際に施工が始まってからも、図面通りに進んでいるか現場にも立ち合うことが多いです。

なお、設計図とパーツのイメージについては「外構デザインプランニング｜明石緑化」をご覧ください。VRでの完成イメージもご用意しています。

造園の仕事③：仕入れ・準備

プランが決まれば、造園で使う植物や資材、アイテムなどを準備していく作業に移ります。

植木屋や造園業者の中には植木農園などから直接仕入れているところや、自社で農園を持っているところもありますが、個人の造園設計士や、造園デザイン専門業者などの場合は、仕入れ業者を仲介して樹木を調達します。

また、樹木の形・色・大きさにこだわりたいのであれば、施主が仕入れに同行できる可能性があります。これから造園を依頼しようかと検討している方は、見積もりの際に相談してみると良いでしょう。

おしゃれな庭づくりを目指すポイントについては「おしゃれな庭を作りたい！造園のポイントと業者の選び方」で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

造園の仕事④：施工

準備が整ったら、いよいよ施工スタートです。造園工事業の資格を持つ施工管理技士（1級造園施工管理技士／2級造園施工管理技士／造園技能士など）や、実際に作業をする土木職人・植木職人、設計を担当した設計士やガーデンデザイナーなどのチームで工事が進められていきます。

造園で実施する主な施工内容は、整地・植栽・建築・剪定・清掃で、かかる工期は一般住宅の造園でおよそ2週間〜1ヶ月程度となります。

作業内容については「【一覧】造園道具の種類と使い方を解説｜プロが使う造園道具とは？」でも触れていますので、ご興味のある方は併せてご覧ください。

造園の仕事⑤：管理・アフターサービス

庭や植栽スペースをいつまでも健康で美しい状態で維持するには、定期的なメンテナンスが必要です。雑草を放置したままにすると、害虫が発生したり、火災や隣人トラブルを招いてしまうことも。また、落ち葉を回収せずに放置していれば、害虫が卵を産み付けて繁殖したり、側溝や雨どいに詰まって排水できなくなるなどの被害が発生します。

このような造園後の管理やアフターサービスも造園業者の仕事内容となりますので、造園を依頼する際は定期メンテナンスの有無についても確認しておくと良いでしょう。

造園業者・植木屋・庭師の違いとは？

最後に、造園業者・植木屋・庭師の違いについて疑問を持たれている方が多いので解説します。

造園業者・植木屋・庭師は、どちらも造園業の中にある業態の一種です。明確な違いはありませんが、造園業者は造園に関するトータルサービスを扱っている業者で、外構やエクステリアの工事まで請け負っているところが多く、植木屋は樹木の植栽・移植・剪定といった樹木の選定や手入れを中心で請け負っている業者が多い傾向にあります。

また、庭師は個人を指す名称で、主に自身のネームバリューで活動している業態を指します。設計・デザイン・施工・管理まで、庭にまつわる幅広い仕事を請け負っており、独自の技術やデザインセンスを持っていることが多いです。庭師ではなく「造園家」として活動されている人もいます。

造園を依頼する際は、希望する作業内容に対応してくれるところであれば業態を問う必要はありませんが、造園工事が発生する場合は、必ず対応する技能資格を持った管理者や職人が業務に従事しなければなりません。業者を選ぶ際は、ぜひ保有資格についても注目してみてください。

<2>緑にはさまざまな意味が！生活に欠かせない造園

今回は、「造園」とは何か？言葉の意味や対象とする空間、仕事内容についてご紹介しました。

造園は美しい景観をもたらしてくれるだけでなく、私たちが安全で快適な暮らしをするためにも欠かせない存在です。街中で「緑」を意識して探してみると、これまで気が付かなかった植栽スペースや、植栽が持つ面白い意味と出会えるかもしれません。

また造園業者は、旅館のような庭園や、道路や公園のような公共性が高い造園のみを扱っていると思われがちですが、私たち明石緑化では、このような大規模工事だけでなく、お家にある観葉植物の植え替えや庭木の手入れ、外構・エクステリアリフォームなどにも対応しています。

大阪市・堺市にお住まいの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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